『いくお〜る』誌上の「図書紹介」がウェブにも登場しました! ここでは聴覚障害関連の書籍をご案内しております。

日本語字幕付きのDVD(ビデオ)、聴覚障害者役が出ている作品も少しずつご紹介します。

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BOOK

4月号(No.78)掲載

2月号(No.77)掲載

10月号(No.75)掲載

8月号(No.74)掲載

6月号(No.73)掲載

4月号(No.72)掲載

2月号(No.71)掲載

12月号(No.70)掲載

10月号(No.69)掲載

8月号(No.68)掲載

6月号(No.67)掲載

DVD

ろう者役のある作品

日本語字幕付き作品

 2007年2月号(No.71)掲載
このゆびとまれ このゆびとまれ
江時久/著 335頁 文理閣 1,995円

 『天国で勉強する』という遺書を書いた京都のろう学校生徒の新聞投書から始まる、ろう者・清田と難聴者・邦夫、その周囲の人々を取り巻く戦後から近年にかけての物語。難聴者・邦夫の視点で彼の葛藤や変化が、歴史的背景や聴覚障害の実情等を踏まえた細かな描写とともに書かれている。ろう者、難聴者が混在する多様な聴覚障害者の世界の入り口として理解を求めるのにも役立ちそうだ。創会以来50年を超えて今なお継続中の「みみより」会の創会までの過程を紐解いてみませんか。全日本ろうあ連盟季刊誌「MIMI」で連載された小説。(K)

聴覚障害者のための受診便利帳 聴覚障害者のための受診便利帳
高橋英孝/著 132頁 法研 1,890円

 「聞こえの障害」を持つ人が困ることが多いのが、病院でのコミュニケーション。本書は聴覚障害者が病院受診するのに便利な本。外来受診する際に交わされる会話文例を多く掲載し、指さしでコミュニケーションができるように工夫されている。
 手話も日本手話研究所で創作・確定した手話表現をイラストで掲載しているが、やや小さく見づらい。あくまで当事者が筆談の代用に使うことを第一に考えられているようだ。
 病院に置いておくのもよいが、医師または患者本人が使いこなすことで、より効果を発揮するだろう。(O)

河童くんとようすけくん 河童くんとようすけくん
奥山洋介/著 48頁 奥山ようすけの絵本をつくる会 1,850円

 ろう学校小学部3年生のようすけ君。夏休みに一人でおじいちゃんおばあちゃんのいる丹波篠山に行くことになった。ある日、森の中を探検しているうちに出会った河童くんと、手話を通して友だちになっていく。
 作者の奥山さんが子ども時代を過ごした丹波地方の自然や文化が、短く美しい文章と、やわらかいタッチのカラーイラストで描かれている。簡単な手話も紹介されており、手話に関心を持ってもらうのによいのでは。完成度の高い絵本だ。(O)

【問い合わせ先】
作る会事務局
FAX:
06-6436-2684
Eメール:
kappa@orl.co.jp
障害のある学生を支える 障害のある学生を支える
ボニー・M・ホッジ/ジェニー・プレストン-サビン/著
太田晴康/監訳 三澤かがり/訳 228頁 文理閣
2,415円

 原書はアメリカで97年刊行。大学等の高等教育機関で、障害を持つ学生をどう支援すべきか。現場の教員等32人がその体験を通して、対処方法を紹介したもの。聴覚障害学生への配慮についても、1章が割かれている。米国の法律等も紹介され、示唆に富む内容だ。
 障害のある学生への適切な配慮とは何か、何をもって適切といえるのか、という問いかけは、聴覚障害者の情報保障の問題への根本的な問いかけでもある。本書の随所に見られる、個々の学生に適した対応を考える柔軟な姿勢は、我が国でもぜひ見習って欲しいものだ。(O)

いのち再び いのち再び
大西康子/著 149頁 かもがわ出版 1,680円

 がんになった手話通訳者が、こころの内から湧き上がるものを残しておきたいという願いで著した書。「闘病記」「手話通訳を仕事として」「あの頃を振り返って」の3部構成。がんとの残酷な闘いの中で、自分が納得したうえで人生を決めていきたい
という思いや、その闘いで気付かされたサポートを受ける側としての思いを著者は静かな筆致で描いていく。それらの思いは、手話通訳援助の実際についての提案にも結びつく。病気と闘っている人、その家族、医療従事者のみならず、手話通訳者、手話を学んでいる方々にも是非読んでほしい書。(MI)

障害をもつ人の参政権保障をもとめて 障害をもつ人の参政権保障をもとめて
川崎和代/著 63頁 かもがわ出版 630円

 日本国民の約5%はなんらかの障害を持っている。憲法14条で、全ての国民は法の下で平等であることが定められているが、政治参加の面では、依然として障害を持つ者の参加を阻むバリアが存在する。
 本書では障害を持つ人の参政権について、障害を持つ人の現状、選挙権の保障、選挙活動の保障、政治活動の保障の各点から、参政権の問題を捉えている。聴覚障害者の、街頭演説や政見放送での手話通訳・要約筆記・字幕での情報保障の問題等についても少しふれている。参政権問題の概要をつかむのに適したブックレット。(O)

〈ユニバーサル〉を創る! 〈ユニバーサル〉を創る!
井上滋樹/著 174頁 岩波書店 1,785円

 欧米で頻繁に使われるようになった言葉「ソーシャルインクルージョン」が本書のキーワード。定義は固まっていないが、筆者はこれを「社会のサービスを十分に享受できない環境にいる人を、同じ社会の構成員として、社会的に包括していくこと(要約・編集子)」としている。
 本書は伝統文化、スポーツ、学び、まちづくり、それぞれをテーマに、誰もがその人らしく輝ける社会を、試行錯誤の中から創り上げている人たちを描く、ヒューマンドキュメント。高齢化が進む日本で、社会全体が活力を持ち続けるためのヒントがここにある。(O)

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