『いくお〜る』誌上の「図書紹介」がウェブにも登場しました! ここでは聴覚障害関連の書籍をご案内しております。

日本語字幕付きのDVD(ビデオ)、聴覚障害者役が出ている作品も少しずつご紹介します。

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BOOK

4月号(No.78)掲載

2月号(No.77)掲載

10月号(No.75)掲載

8月号(No.74)掲載

6月号(No.73)掲載

4月号(No.72)掲載

2月号(No.71)掲載

12月号(No.70)掲載

10月号(No.69)掲載

8月号(No.68)掲載

6月号(No.67)掲載

DVD

ろう者役のある作品

日本語字幕付き作品

 6月号(No.67)掲載
日本語-手話同時通訳の評価に関する研究
白澤麻弓/著 267頁 風間書房 12,075円

手話同時通訳の評価についての研究書。聴覚障害者の社会参加促進のためには、手話通訳制度の充実が必要不可欠であるが、その手話通訳に関する研究はきわめて少ない。この研究は、手話通訳作業の詳細な記述分析と、聴覚障害者の手話通訳への期待に対する充足度という両方の側面から手話通訳の評価を行い、これらの関連性を明らかにすることで、聴覚障害者の期待に応じた客観的かつ総合的な手話通訳の実施を可能にすることを目的とする。手話そのものの研究のみならず、このような「伝わる」通訳に焦点をあてた研究も今後積み重ねてほしいものである。(MI)

ろう教育が変わる!
小嶋勇/監修 全国ろう児をもつ親の会/編
215頁 明石書店 2,100円

監修の小嶋弁護士と全国ろう児をもつ親の会が「ぼくたちの言葉を奪わないで」、「ろう教育と言語権」の2冊に次ぐ本として出版した。
03年5月の人権救済申立から3年経過しているが、ろう教育の現場は旧態依然である。本書は前述の2冊を前提として、05年4月に公開された日本弁護士連合会「手話教育の充実を求める意見書」の内容を検証し、真のろう教育の確立を求めるために出版されたものである。
言語学の第一人者二人とろう者二人が書いた内容は、手話への正しい洞察とろう教育の問題点を鋭く捉えており、必読の書である。(M)

出会いの扉にありがとう
那須英彰/写真・文 63頁 新風舎 1,890円

NHK手話ニュースのキャスターとして活躍している那須英彰さんの写真エッセイ集。日本各地、海外や海中とバラエティに豊んだ、ろう者ならではの視点で撮影した37の写真を掲載。写真に添えられた文では、撮影時の出来事やハプニング等も感情豊かに描かれている。
さまざまな出会いをもたらす「扉」。いろいろな扉の向こうに素晴らしい出会いが待っている、と語る筆者。那須さんという「扉」を通して、その「世界」が伝わってくる一冊。同じろう者として、とてもユニークな蛙のあくびの写真と、添えられた文「音より目で味わいたい」に強く共感。(U1)

聴導犬・美音と過ごす幸せな日々
松本江理/著 206頁 角川文庫 460円

進行性感音性難聴のため23歳で完全失聴した著者と、聴導犬美音の二人五脚の奮闘記。03年発行の「教えてもっと、美しい音を」を改題・文庫化したもの。著者が失聴した経過、美音との出会い、聴導犬への訓練、結婚や出産、子育て、そして聴導犬について社会全体へ啓蒙活動を進めていく様子など、ドラマチックなストーリーだ。
 02年5月、身体障害者補助犬法が成立し、美音も国から正式に「聴導犬」に認定。今春、高齢で引退予定だったが、サイトによれば著者におめでたがあって先延ばしになった様子。おばあちゃん犬になっても、美音の仕事はまだ続く?(U1)

あなたの声がききたい聴覚障害の両親に育てられて
岸川悦子/文 128頁 佼成出版社 1,575円

理髪店を営む耳の聴こえない両親の元に生まれた加奈子。両親が聞こえないというだけで心ない態度をとる友だちや大人、社会の偏見に悔しい思いをしながらも、人の心の痛みがわかる女性に成長していく…。
作者が入院先で出会った、手話のできる看護師の実話を元に書かれた作品。小学校中学年以上向け。漢字にはルビがあり、イラストも多くて読みやすい。難を言えば、手話について「口話法には助詞がない」とする等、誤解があるようだが、児童向けでもきちんと手話について説明しようとする姿勢を買いたい。大勢の子どもたちに読んでほしい本だ。(O)

てではなそう5 たりない!?
さとうけいこ/作 さわだとしき/絵 78頁 柏書房 1,260円

さとうけいこさんの「てではなそう」シリーズ5冊目。今回は「数字」がテーマ。人類は昔から数を数えてきた。それがモノに対する価値観を産み、文明の発展につながった。でも、数えるのは人間だけだろうか? そんな不思議な疑問がわいてくる。
子どもが手話に親しむのによい本。正しい手話の形をきちんと学びたい人にはお勧めしない。手話で楽しむための本だと割り切りたい。
本書にある数の遊び「かぞえてファイヤー!!」にはハッとさせられた。右手で0から10まで、左手で10から0まで同時進行で数えていく方法だ。それは私の十八番でもあったから…(M)

心輝く時
古寺蛙鳴/著 157頁 新風舎 1,575円

中途失聴の著者が、その経験から聴覚障害者と健常者の交流を書いた小説。『心輝く時』『花のように』『海の香り』の3編からなる。
この本のテーマは「恋愛・結婚」。聴覚障害者と聴者の結婚は、当事者の間のコミュニケーションの壁に加え、家族、特に聞こえる側の両親の理解が大きな鍵になる。3編の小説の中でも、繰り返し大きなテーマになっている。
手話講習会や手話サークル、要約筆記の例会の様子が詳しく書かれており、こういう世界があるのだという手引きとして読まれてもいいかもしれない。文章は荒削りだが今後の作品に期待したい(Y)

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