【2006.11.17】オ〜ガワのコラム 第13話


ありがとうMINAさん


編集人二人が相次いで退職しました。
hira氏が一身上の都合で10/20に退社、次いでMINAさんが寿退職。
MINAさんは来春出産予定(10/20のコラム参照)でっす!

MINAさんは、オガワが編集部に入ったのとほぼ同時に編集部入りしたので、かれこれもう11年以上一緒に仕事していたことになります。
二人とも編集の経験が浅い中、やはり編集人だったウチガキ氏(今もイラストコラム描いてます)、トヤマさん(現在某県難聴団体会長)、ときにはヨナイヤマ編集長(当時)も交え、カンカンガクガク議論しながら「いくお〜る」16号を作り上げたのが懐かしいです。
当初から残業の連続で、早く帰れ〜というイワブチ事務局長に、帰ったら発行まにあいませんよ!と鍵を奪うようにして、部員4人で一緒に徹夜して編集したりしたものでした。

当時から編集部はワールドパイオニアの支援を受けていましたが、
社員の半数が聞こえない人たちだった同社の中でも、
MINAさんの存在はちょっと異質でした。
中等度の難聴者で、身体障害者手帳を持っていない、
でも聞こえないときは聞こえない、というのは、
ろう者や中途失聴者、重度の難聴者ばかりだった社内で、
貴重な存在でした。
社会的な「対等 =イコール」を目指す編集部の中で、
行政のサポートの全く受けられない軽中等度難聴者の立場で発言し、
問題をいつも意識させてくれました。
MINAさんあっての「いくお〜る」でした。
難聴者用電話を使えば受話器の話も聞こえる、というので、
「いくお〜る」の電話は当初からMINAさんの仕事になりました。
ですが思えば中等度難聴ではあっても、
MINAさんにとっても神経をすりへらす作業だったはず。
ときどき、相手によっては「聞きにくいんだよ〜」と
こぼしていたのを覚えています。

「いくお〜る」の編集は、ろう者、中途失聴難聴者、聴者
それぞれの文化やスタイルの衝突する場でした。
その中で、MINAさんは生来の頭の回転の速さと鋭い舌鋒で、
オガワも議論のたび、いつも言い負かされてました。
戦う編集者でしたね!
そのうち、殺気立つ編集部の中で、他のメンバーそれぞれの立場を
理解し、よいところも悪いところもひっくるめて
受け流す潤滑油のような役目をしていましたね。
手話になじんで、「ろう者の手話や文化を理解している、
日本一の難聴者」なんて言われたりもしてましたね。
意志の強靱さには、オガワもしばしば舌を巻いていました。
「いくお〜る」でコミュニケーション衝突を体現し、
独自のコミュニケーションのスタイルを築きあげたMINAさんは、
日本の歴史上類を見ない、希有な存在です。
できればこのまま「いくお〜る」の中で、
MINAスタイルをさらに開花させ、
さらにはオガワの次の編集長を、とか思っていましたが…、
新たな幸せがやってきました。

11年もの長い間、よくぞ「いくお〜る」を守ってくれました。
ありがとうMINAさん。
落ち着いたら、ときどき遊びに来てくれますよね?
その記憶力をもとに、いつか「いくお〜る」時代の経験を
本に書いてください。
期待していますよ〜!

(10/31記・オガワ)

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