【2006.7.29】オ〜ガワのコラム 第10話


東京にないものは



栃木から東京に転職したのは11年前の今頃でした。当初は片道2時間かけて通勤、そのうち通うのが大変さに中野区内に生活の拠点を移しました。
移った当初、不思議だったのは、虫がいないということです。
当初、夜窓をあけて仕事したら虫が入るのが当たり前だと思っていたのですが、全然虫が入って来ません。これはかなりびっくり、不思議でした。
東京には虫がいない?


虫が居づらい都会、オ〜ガワにも住みづらそうだな〜とか思ったものです。>但し最初から中にいるアノ黒い虫は別です。
夏場、蚊取りがいらないのは正直助かります。でもあの「蚊」に刺された跡のむずがゆさで、毎年夏の到来を実感していた身としては、夏を体感する機会が減ったのも事実です。栃木ではオケラやカマキリ、ガにカナブン、コオロギやバッタ、たまにカブトやクワガタ虫まで、季節によって訪れる虫もさまざまでした。
東京にないのは季節感?


住みづらいと思った理由のひとつは、東京の水のまずさでした。実家は井戸水をポンプで汲んでいたので、水がおいしいのです。蛇口からガブガブ飲むのが習慣だったので、これはなかなかなじめませんでした。ところが昨年あたり、東京の水もまあまあ飲めるようになっているのに気付きました。ガブガブとはいきませんが、ときどきちびちびと。こんなのも「東京の水に馴染んだ」というのでしょうか?
他にもお風呂がシャワーに、FAXがメールに、車が電車に、と便利さに慣れると、どんどん生活のあちこちを切りつめて、仕事中心にシフトしてしまっているオガワがいます。便利なのも考えものです。
東京からなくなっているのは、不便さ?


不便さがなくなるとしたら、表向き悪いことはなさそうです。でも不便なこと、ムダなことをいっぱい体験して、オ〜ガワは大きくなりました。成長するのに大事なムダも、きっとあるのです。ガキのころ薪に火をつけてお風呂をわかした経験も、刃物を使って鉛筆を削ったりした経験も、今は全く使いませんが、「知っている」ことがオガワの行動の骨格になっているのです。火の付け方も、刃物の扱い方も、虫の殺し方も。
不便さやムダの欠如が、今の子どもたちの成長に反映されていくような気がしてなりません。
東京にないのは体験?


窓を開けて残業中、珍しく紛れ込んできた羽虫を見て、おお、おまえさんも住みづらいところでがんばっているなと、ムダなことを考え始めたオ〜ガワでした。
とはいえ、もしこの虫が蚊だったら、「がんばっているな」どころか、親の敵のように追い回して叩こうとするのでありましょう。


と、ここまで書いて気付きましたが、

東京にないのは、栃木にいた頃のオ〜ガワなのかも。


(写真はイメージです)

ずっと東京にいて追いまくられて、
ないものを数えたりする余裕もなく
オ〜ガワ自身、
すっかり変貌してしまったようです。

都会で変わっていく男、というと、
名曲「木綿のハンカチーフ」みたいっすね。

え、そんなロマンチックじゃないだろって
?ふんだ。

※参考「木綿のハンカチーフ」
http://www2.gyojya.jp:8000/Flash/Good/hasokerchief.swf



(7/28記・OGAWA)

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